最終回　結の蔵のおしるこ

　ケーキもチョコレートも好きだけど、冬に食べたい甘いものはやっぱりおしるこ。近頃は甘味処も少なくなりましたが、滝沢市巣子にある「茶房 結の蔵」のおしるこは、小豆の風味を生かした優しい甘さで好きな一品。しかも小豆の中には大きなきびだんごが４つも入っていて、山菜のおひたしや大根なますなど箸休めの小鉢も３品付き。いっそ「おしるこ定食」と呼びたいボリュームです。

　それでも食べ飽きないのは、小豆あんはもちろん小鉢までオーナーの川原陸子さんの手づくりだから。小鉢の山菜類に至っては、自ら山に分け入り採ってきたものを保存して一年中使うこだわりです。「みんなにおいしいって思ってもらえればいい」と大らかな川原さんのファンも多く、お店はいつもにぎやかです。

　「実は開店した　年前にもマ・シェリに取材されたの」と懐かしそうな川原さん。こんな再会も、刻んできた歴史と信頼あればこそ。それは記憶として、この先もずっと残っていくはずです。

　５年間、ありがとうございました。いつかまたお会いできますように。