3 まきさわ工房のソーセージ

 思い込みというのは食べ物にもあって、食べ慣れているものほど、ひと口めが予想に反する味や食感だったりすると驚いてしまいます。
 北上の「まきさわ工房」のソーセージがまさにそれでした。なんといっても噛みちぎる瞬間の音が違います。おなじみの「パリッ」ではなく「プチン」。…文字にすると難しいのですが、音に「粘り」があるといえば伝わるかしら。続けざまにジュワ~と口中に広がる肉の味。濃厚なそのうま味といい、ふわっと柔らかいのにプリプリな中身といい、食べるごとに肉が「主張」してきます。
 「ソーセージは肉のおいしい食べ方のひとつ」。工房のマイスター、昆野修さんのお話は明快です。
 材料は肉(豚、牛、鶏など作るソーセージに合わせて変わります)と、天然塩など数種の調味料だけ。シンプルな味付けで食材の味を引き出すのは料理の世界では当然で、ソーセージだって同じだというのです。いうまでもなくビールとの相性は最高、でもご飯のおかずにもなる「肉料理」が、まきさわのソーセージです。
 もうひとつオススメは、今年登場した焼豚。タレがしみ込んだ肉塊がもうねぇ…あ、紙面が尽きちゃった。
●問い合わせ/(株)北上 まきさわ工房 北上市口内町真木沢158 電話0197(69)2888 ※いわてFOOD記 第3回 マ・シェリ937号(2014年06月27日)掲載

食のほそみち

2014年からマ・シェリに連載中

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