5 日和佐 しそ巻き定食
もういい年なのに揚げ物の誘惑には勝てず、食後「ああカロリーが」などと気にしてしまいます。肉も魚も野菜も、衣をまとわせ揚げただけでなぜ、あんな美味しいんでしょう。
罪悪感を感じず揚げ物を食べるなら、花巻「日和佐(ひわさ)」のしそ巻き定食です。薄切り豚肩ロースに青じそをのせ、中央に細切りにした生のナスとカニカマ。これをクルクルと巻いて、パン粉をつけて揚げています。
青じその香りと肉のうま味を吸ったナス、カニカマの控えめな食感が噛みしめるごとに現れて食べ飽きず、ボリューム感も不足なし。つけダレがポン酢というのも素晴らしい。
このメニューは30年以上前からあるそうで、「家族に食べさせたいやさしいおかずを」と女将の関トシ子さんが考案。最初はニンジンやタマネギも巻いてみたけど、ナスとカニカマに落ち着いたそうです。考えつきそうで絶対考えつかない組み合わせは、食べる人を気遣う女将さんの、やさしい工夫だったんですね。
さすが花巻、町では「しそ巻き味噌」「みのぼしなんばん」という巻きもの料理も見かけます。先達の工夫と込められた思いに感謝しつつ、こちらも美味しくいただいてまーす。
●問い合わせ/焼肉レストラン 日和佐 花巻市花城町11‐41 電話0198(24)0636 ※いわてFOOD記 第5回 マ・シェリ943号(2014年08月29日)掲載
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