7 しょうゆだんご
「パンがなければお菓子を食べればいいじゃない」。昔々、そう言ってフランス国民のひんしゅくを買った女王さまがいたそうですが、じゃあこれはパン(主食)なのかお菓子なのか…。食べるたびちょっと悩んでしまうのが、盛岡独特のしょうゆだんごです。
悩むのは、「だんごはお菓子」という概念が頭にあるからです。餅菓子好きだった祖母が盛岡へ行くたび買ってきたのは、みたらしがかかった焼きだんご。香ばしい焼き目ととろみの甘さは最高のおやつでした。
おそらく祖母が覗いていただんご屋のガラスケースには、この「悩ましきおだんご」もあったはずです。淡いしょうゆ色で甘みがなく、焼き目もついておらずだんご1個1個が妙にデカイ。それが普通サイズの竹串にぎゅうぎゅうと5個も刺さっているもんだから、なんだか気の毒になります。最初に食べたのはいつだったでしょう。「しょっぱい!」と衝撃を受けたことは覚えています。
悩みつつも、今では3時のおやつにみたらしだんご、朝食や食べそこねた昼ごはんの代わりにはしょうゆだんごが鉄板。パンがなくてもだんごを食べればいいわけです。こんなふうにだんごを食べ分けるのは、盛岡にいなきゃあできない楽しみですね。
※いわてFOOD記 第7回 マ・シェリ950号(2014年10月31日)掲載
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