10 ずるびき

 それにしても、強烈なネーミングです。
 「ず る び き」
 岩手県広しといえども、食べられているのは金ヶ崎町だけ。「昔は法事も家でやっていたでしょ。そういう時に振る舞われた汁物で、しょうゆ仕立てで色々な味がしてね、ごちそうだったのよ」。思い出の味を再現、町内のお休み処で提供している「かみしも結の会」会長の菊地芳子さんが懐かしそうに話します。
 昆布などでとった出汁にさつまいも、しいたけ、ごぼう等々を入れ、味を調えたら水溶き片栗粉。とろとろになったら椀に注ぎ、三つ葉と丸麩。モミジを蓋代わりに添えるのは菊地さん達のアイデアです。食べる時は行儀など気にせず熱いところを「ずるずる」と。たくさんの具がとろみと一緒に喉をすべり、お腹の中からポカポカに。やさしくて懐かしいこの味…うん、確かに後を「ひき」ます。
 10月22日(木)から28日(水)までは、予約なしで「ずるびき」ランチを食べられます。ぜひ食べてみてください。
■お休み処 かみしも 金ヶ崎町西根本町85 電話0197(42)3303 ※食事提供時間については問い合わせを ※食のほそみち 第10回 マ・シェリ984号(2015年09月18日)掲載

食のほそみち

2014年からマ・シェリに連載中

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