17 わさびの醤油漬け
うこぎの芽も出てきましたが、この時期は葉わさびも食べない訳にはいきません。茎の食感を楽しみつつ鼻から脳天にツーンと抜ける辛さに身悶えし、おもむろに白飯をほおばってひと心地をつく。その爽やかな刺激は春のごとし、冬眠中の身体と頭が活動モードに変わります。
ちなみにうちでは切った葉わさびをタッパーに入れ、熱湯を注いでふたをして放置。粗熱が取れたらその都度お醤油をたらして食べています。長らくこれが「わさびの醤油漬け」と思っていましたが、先日入手したレシピは「塩をふって重石をする」「揉んでアクを出す」「湯通ししてまたアク抜き」と手間がかかります。そしてお醤油たらり、ではなく酒やみりん、砂糖などが入った調味液に漬けている。やってみたらこれがウマかった…。
結局、わが家のは醤油漬けではなく「わさびのお浸し」だったのですが、家ごとに作り方が違うのも郷土食の奥深さ。それゆえの発見もまたうまし、です。
※食のほそみち 第17回 マ・シェリ1006号(2016年05月13日)掲載
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