35 小泉屋の米まんじゅう
陸前高田市の高台に、仮設の店を構える和洋菓子の「小泉屋」。小さな工房で店主の熊谷薫さんと奥さまの和子さんが作るのは、肉厚のしんこ餅で北海道産小豆の粒あんを包んだ米まんじゅう。もっちりふわふわな餅の皮としっとり練り上げたあんこがおいしいと、遠く気仙沼から買いにくる人もいるほど。「午後には売り切れっから、みんなに『幻のまんじゅう』って言われるよ」と店主は笑います。
以前のお店は高田町に。津波で全部流され、途方にくれていた熊谷さん夫婦の背中を押したのは「米まんじゅうが食べたい」というお客さんの声だったそう。半年後には六畳一間の小屋で米まんじゅうを作りはじめ、仮設店舗ができてからは夫婦ふたり、商いを続けてきました。
11月末には、「アバッセ高田」そばに新しいお店が開店。「これで落ち着いて商売できる」と熊谷さん夫婦はうれしそうですが、待ちかねたお客さんで「幻のまんじゅう」現象は白熱しそう。でも行くぞ!
■小泉屋 陸前高田市西和野70‐1 電話0192‐55‐3049 ※新店舗の住所、開店日は問い合わせを ※食のほそみち 第35回 マ・シェリ1061号(2017年11月24日)掲載
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