41 葵食品のたっそべ漬

 あぁ辛い辛い。つーんと鼻に突き抜ける刺激に涙を流しつつ、白飯を口に運ぶ手が止まりません。夏やせ計画も吹き飛ばしてしまうご飯のお供に、またひとつ出合いました。わさびの里、遠野市宮守町で作られている「たっそべ漬」です。
 稲荷穴からこんこんと湧き出る水が育む、宮守特産のわさび。大正4年頃から栽培が試みられ、昭和30年代にはわさび田が造られた東北一の産地でもあるこの地で、三代にわたり栽培に取り組む葵食品の佐藤寛之さんは「宮守わさびは甘さもあって辛みが立つ」と、話します。なかでも厳寒期に収穫したわさびは辛みが強く、これを使う「たっそべ漬」はご飯のお供に酒の肴にと発売から40年を数える人気の品。酒粕漬けやわさびみそ、刻み漬やまつまえ漬などシリーズも多く、どれもこれもが辛くてうまくて困ります。
 最近のお気に入りは、ゴボウと大根、キュウリも入った刻み漬。食感と辛みが胃袋を刺激して、今日もおかわり必至です。
■葵食品(加工所)遠野市宮守町達曽部52‐63‐5 電話0198(67)6518 ※食のほそみち 第41回 マ・シェリ1082号(2018年06月22日)掲載

食のほそみち

2014年からマ・シェリに連載中

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