ケーキもチョコレートも好きだけど、冬に食べたい甘いものはやっぱりおしるこ。近頃は甘味処も少なくなりましたが、滝沢市巣子にある「茶房 結の蔵」のおしるこは、小豆の風味を生かした優しい甘さで好きな一品。しかも小豆の中には大きなきびだんごが４つも入っていて、山菜のおひたしや大根なます...

　奥州市江刺大通りにある喫茶ミニヨンは、古きよき喫茶店の面影を色濃く残す店。ツタの絡まる外観にアンティークな家具や調度品、コーヒーはサイフォン式だしメニューもナポリタンやカレー、ピラフなど王道派。「親しみやすく肩肘張らない雰囲気を心がけています」と笑顔で話す店主の二階堂聖子さんは...

　山々が錦に染まる秋。でも食いしんぼうには、きつね色以上に心弾む色はありません。そんな魅惑の色を探し求め、たどり着いたのは二戸市浄法寺町。「キッチンパルたてやま」の手羽先です。　昨今ブームの手羽先ですが、巷のそれとは一線を画すおいしさの秘密は焼き方に。専用のロースターでジリジリと...

　いつも食べ残していた給食パン。大きいばかりであまり味の記憶がないのですが、どうも釜石市や大槌町の給食パンはおいしいらしい…。作っているのは鵜住居にある「沢口製パン」。なんと昭和40年代の学校給食開始時からで、釜石市民・大槌町民なら老いも若きもここのコッペパンを食べて大きくなった...

　「畑さえあれば何か食べるものが作れる。こうしてお店をやっているのも、作物を育てたり加工して食べるという昔からの知恵や技術を途絶えさせたくないからなのよ」　そう教えてくれたのは、野田村で「農家食堂つきや」を営む小野寺信子さん。自ら育てたお米で朝一番に餅をつき、とれたて野菜はお昼の...

　熱々の白ご飯に納豆をのせ、口いっぱいにほおばったところに味噌汁をすする。口中で渾然一体化する納豆の甘みと味噌汁の塩っ気が大好きで、お行儀も気にせずかきこんでしまいます。そういう人は多いのでしょう、昨年の家計調査で盛岡市が納豆の購入金額全国1位に。納豆王国水戸をさしおいて、あっぱ...

　最初に食べたのは、たしか「五目あんかけ焼きそば」でした。塩あんかけの具は海老や野菜に加え、フクロタケやクワイなど本格中華の食材まで。「なぜこんなものが入ってるの!?」という驚きは、食べ進むうち感動に変わっていったのでした。…大げさすぎる?　だってここはスーパーの店内にある、ごく...

　いくら食べても太らなかった10代のあの頃、放課後の買い食いの定番のひとつだったのが、学校のそばにあった「ミッシェル」のアップルパイ。サクサクのパイ生地に詰まったたっぷりのリンゴの甘煮とスポンジは、お腹ばかりか心も満たしてくれるものでした。　そんなアップルパイは、うれしいことに今...

　カレー、ピラフ、そしてトンカツ。ひと皿に盛りつけられたそれは、私が知る限り最強の三位一体です。いや、ありそうでない取り合わせはもはやヌーベル・キュイジーヌ（新しい料理）というべきか…。何度食べてもまた食べたくなる、それが一関市千厩の老舗レストラン「あさひや」の特製カレーピラフで...

　たとえば好きな具だったり、海苔の状態（パリパリ・しっとり）だったり、語れば深く尽きないおにぎりワールド。私的には「米がおにぎりのかなめ」と得心しています。理想はかたからず柔らかすぎず、口の中で飯粒がほどけるような握り方。そんなおにぎりを作っているのが、釜石市の「佐々木仁平商店」...

　ピーー。寒い冬の日、この音が聞こえてくるとワクワクした子どもの頃。いまどき焼き芋はスーパーでも買えますが、窯から出したてのお芋の熱さと香りは移動販売にかないません。そんなワクワクを思い出させてくれたのは、由井野菜園の焼き芋。ほろを自作した軽トラに石焼き窯を積んで、滝沢や盛岡を回...

　久しぶりに訪ねてみた宮古市田老。道の駅もでき、新たなにぎわいが生まれています。「はなや蕎麦たろう」は、そんな一画にあるそばの店。国道45号を通るドライバーや地元の人に愛されています。　そばは十割で、3つの産地から地粉を選べるのが特徴。王道・北海道、岩手の雄・紫波もありますが、こ...